2018_7 福岡臨床整形外科医会教育研修会参加報告_金澤
先日5月19日(土)に開催された福岡臨床整形外科医会教育研修会に参加してきました。特別講演として、九州大学整形外科教授の中島康晴先生から「変形性股関節症の診断と治療」というタイトルで講演がありました。講演では変形性股関節症の疫学から自然経過、保存的治療から矯正骨切り術、人工関節といった手術治療に至るまで幅広く教えていただいたのですが、その中で印象的だったことを幾つかピックアップしてみました。
1)例え手術前であってもリハビリテーションの実施持続が必要である。
股関節の治療は手術が治療のメインであることに変わりないのですが、例え手術が決まっていたとしても、事前のリハビリで術後の成績にも大きく影響を及ぼすようです。手術をするタイミングも含めて、手術前であってもしっかりリハビリをしていくことが重要だと再認識しました。
2)人工股関節の長期成績は改善している。
人工関節はどうしてもポリエチレンの摩耗などからの耐久性が問題だったのですが、架橋ポリエチレン等の改善により、人工関節の耐久性があがり、それに伴い長期成績も安定したものになってきているようです。これからは人工関節の適応年齢が低くなってくるかもしれませんね。
3)人工関節後のスポーツ活動について
上にも述べた人工関節の耐久性の向上から、人工関節を行った後でもスポーツ活動にチャレンジしている人が出始めているとのこと。しかしながら、コンタクトスポーツやサッカー、ジョギング、バスケット等は推奨されていないので、やはりスポーツをするときには注意が必要ですね。
当院で変形性股関節症でリハビリを行っておられる方にも、手術のタイミング、リハビリやスポーツ活動等、不明な点があれば、どんどん聞いていただければと思います。
院長