変形性膝関節症における膝伸展運動、ハムストリングスのストレッチの重要性
理学療法士の菅田です。
今日は【変形性膝関節症における膝伸展運動、ハムストリングスのストレッチの重要性】についてお話します。
当院に来て頂いている患者様の中で膝の痛みがありリハビリに来られている方は多くいると思います。
みなさん、リハビリの中で「自宅でも膝の裏を伸ばすような運動しましょう」「ももの前に力を入れるようにしましょう」など理学療法士に言われたことはありませんか?
なぜ膝を伸ばすトレーニング、ストレッチの指導をするのかを説明していきます。
また、変形性膝関節症の中でも割合が多い【内側型変形性膝関節症(O脚)】について今日は二つお話します。
まず一つ目は【安定性】を確保するためです。
本来、膝関節は伸びている状態であれば内側にある内側側副靭帯と外側にある外側側副靭帯(写真1)によって大腿骨と脛骨、腓骨が安定し、横方向の動きに対して制御してくれるようになっています。
膝が伸びるとこれらの靭帯が緊張し、歩くときの膝が外にぶれるような不安定感や痛みは軽減、消失します。
しかし、変形などにより痛みが出てきて膝が曲がり靭帯が緩んだ状態になってしまうと…
膝関節を内側と外側で突っ張って止めてくれていたものが弱くなり、膝が内側、外側にぶれるようになってしまいます。
歩く時に片足になった状態では体重は膝の内側を通ります。そこで安定性がない状態だと膝はみなさんがよく聞く【O脚】の方向に強制され、膝関節の内側が潰されるようになってしまいます。
これが続くと、変形の始まりや助長するような悪循環に繋がってしまいます。
二つ目は【脛骨にかかる荷重ストレスを減らす】ことです。
と言われてもなかなかピンと来ないと思います…
膝関節は伸びた状態であれば、大腿骨と脛骨の接触している面積が広くなります。(写真2)
接触している面積が広ければ脛骨にかかる体重は分散されます。
しかし、膝関節が曲がった状態のままになってしまうと…
脛骨に接する大腿骨の面積が狭くなってしまいます。(写真3)
かかる体重は同じなのに受け止める面積が狭いとそれだけ同じ場所に強い負荷がかかり続けてしまうということになってしまいます!
これもまた1つ目と同様、変形を助長したり痛みが出てしまう原因になってしまいます。
変形が進む原因や膝を伸ばさなければいけない理由は他にも色々とありますが、この二つだけでも知識として知っておくだけで、なぜ膝を伸ばさないといけないのか、自宅で伸ばすトレーニング、ストレッチをする必要があるのかがわかってくるかと思います。
皆さんがよく教わる二つの運動、パテラセッティング(膝関節伸展運動)とハムストリングスのストレッチを紹介します。是非自宅で行ってみてください。
①パテラセッティング(膝関節伸展運動)(写真4,5)
膝の下に丸めたタオルを置いて、押しつぶすように膝を伸ばしましょう。
この時、太ももの前に力が入っているかしっかり確認しましょう。
②ハムストリングスストレッチ(写真6)
椅子に座り、伸ばす方のつま先を上げ背筋を伸ばしましょう。
そのまま上半身を前に倒し、太ももの裏が伸びていることを感じながら20〜30秒キープしましょう。
この知識は膝関節の痛みでお困りでない方も、知っていて損はないことかと思います。
少し長くこなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございます。
膝の痛みやそれ以外でも何かお困りのことがあれば当院のリハビリを是非ご活用ください!
★当院の「リハビリテーション科」についてはこちら>>
★当院の「スポーツリハビリ」についてはこちら>>